tapのチラ裏

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視覚に訴える音楽 その1

お久しぶりです。そろそろ受験の方が忙しくなってきたので不定期更新です。今回は音と光についてです。

目と耳が不自由なヘレンケラーは楽器に触れて振動を感じることで音楽を楽しんでいたそうです。その振動は間違いなく音なので、それを楽しむのは音楽だと思います。しかし、僕は音楽を振動で楽しめる自信がありません。僕だけではなく、多くの人がそうだと思います。


ヘレンケラーは視覚と聴覚が不自由なので触覚に頼らざるを得なかったかもしれません。しかし視覚が自由な人なら聴覚が不自由でも、今の時代ならもっとよく楽しむ方法があると思うんです。

それでは物理の話をします。聴覚で感じられる音とは音波という波です。視覚で感じられる光も光波という波です。多少の違いはありますが音を光で再現できるのではないか、ということを今回は考えていきます。今回は音の三要素のうち「音程」と「音量」を再現する方法を考えます。

音と光の違いはなんでしょうか。人間は音を20Hzから20000Hzまで感じることができますが、光は4×10^14Hzから8×10^14hzまで感じることができます。

何が不都合かと言うと、光では1オクターブ上下してしまうと見えなくなってしまうんです。1オクターブの範囲で演奏しなければならない上、光では正弦波とノコギリ波の違いがわかりません(前回の記事参照)。

聞こえる音の範囲と見える光の範囲を無理やり合わせても、ドとド♯が両方とも「赤」という同じ色に見えてしまいます。音楽では同時に鳴らすと不協和音なので、ドとド♯の光が一緒になってしまうのは音を光で再現するという趣旨から逸れますよね。

そこで、妥協案として色相環に登場してもらうことにしました。色相環は周波数に厳密ではありませんが、オクターブの関係を表すには都合がいいんです。

色相環は赤、黄、緑、青緑、青、紫、赤と似ている色同士が隣り合って円を作っています。音階もドレミファソラシドで円を作ることができます。なので、色と音階を対応させていきます。

赤:ド
黄:レ
緑:ミ
青緑:ファ♯
青:ソ♯
紫:ラ♯

足りない音階は間の色を使います。ド♯は赤と黄の間なのでオレンジです。ドとド♯が赤とオレンジなので、似ているとは言え区別ができるようになりました。1オクターブ違いの音の区別ができないという問題が残ってしまいましたが、これは後で考えることにしましょう。

音の三要素の一つ「音程」の話が終わったので、次は「音量」の話を始めましょう。音量は波で言うと振幅です。光では「明度」という色の要素を使います。

例えば、パソコンや携帯の画面はRGB(赤、緑、青)という光の三原色の強さの違いで色を変えています。この光はパソコンや携帯の設定で強くしたり弱くしたりできますよね。強くすると明るくなり、弱くすると暗くなります。音を弱くすると音が聞こえなくなるのと同じで、光を弱くすると光が見えなくなるということです。

次回は「音色」について、そして「音程」の残った問題について考えます。上でも書きましたが、光で正弦波とノコギリ波の違いを感じるのはおそらく不可能だと思います。

これまで音の三要素の音程、音量、音色と色の三要素の色相、彩度、明度のうち二つずつを(こじつけて)組み合わせました。残った音色も彩度と組み合わせてみようと思います。