tapのチラ裏

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視覚に訴える音楽 その2

音楽を光で表現する試み第二回です。今回は音の音色と光の彩度の組み合わせ、それとオクターブ違いの音の区別について考えていきたいと思います。


こじつけと言えど、音色と彩度に共通点がないわけではありません。例えば同じ「ド」の音でもトランペットの音と尺八の音では印象が違います。同じ「赤」でも紅茶の色と紅葉の色では印象が違います。


その基準を、音では正弦波、光では白とします。そして、元になる正弦波から違えば違うほど音は豊かになっていき、元になる白から違えば違うほど鮮やかな赤になっていきます。


ここで、正弦波からの違いを計る基準としてその音に混ざっている倍音から「音の鮮やかさ」を定義したいと思います。


以前、波は数列Anと数列Bnで決定すると説明したと思います。この数列を関数とみなしてf(n)=An+Bnとすると、f(n)を定積分した値を「音の鮮やかさ」とします。ここで積分の範囲を指定してしまうと彩度では足りなくなったり音の見分けがつかなくなったりするので、積分の範囲は適宜判断することにして、ここでは1から4までを積分します。


正弦波はAn=0、Bn=0なのでf(n)=0、積分しても0なので「音の鮮やかさ」は0となります。


ノコギリ波はAn=1/n、Bn=0なのでf(n)=1/n、積分すると約0.6なので「音の鮮やかさ」は0.6となります。


全ての倍音が基準の音と同じ音量でなっている音を考えてみます。An=1、Bn=0なのでf(n)=1、積分すると3なので、「音の鮮やかさ」は3となります。


この「音の鮮やかさ」を彩度と同じものとして、音の3要素の最後「音色」を光である程度表すことができました。




めでたく音を光で表す方法を定義できたところで前回残していた「オクターブ違いの音の区別をする方法」を考えたのですが、これがどうにもできません。


というのも、周波数という観点で音階を色相環で表してしまったがためにオクターブ違いの音が同じ色で表されることになってしまいました。色の3要素である色相、明度、彩度は全て使ってしまったので、もう「光」に頼ることができなくなってしまったのです。


そこで、光源を動かすことを考えてみます。音が低ければ低いほど早く動きます。どうせなので、ドップラー効果と関連づけて定義したいと思います。


光は音のドップラー効果とは少し違います。音の速さは変化しますが、光の速さは変わらないからです。そして、その性質のために光は観測者から見て垂直に動いていてもドップラー効果が起きます。そのときの光源の速さと光の周波数の関係はこのようになります。


f=f'√{1-(v/c)^2}


f'を光の周波数、vを光源の速さ、cを光の速さとすると、観測できる光の周波数はfになります。もちろん、これを使って1オクターブも変化させることはできません。vを光速の√3/2倍の速さで動かさないと1オクターブ変化しませんから、あまり現実的ではないし、実際に1オクターブ変化させたいわけではなく飽くまでもオクターブで変化がわかるようにしたいだけなので少しズルをします。


ここでのcを好きな数を入れることができることにします。そうするとその数の√3/2倍の速さで動かすことで1オクターブ下げることを表現できるわけです。


ここまで一通り音楽を光で表現するための考察をしてきました。僕自身考察しているうちに音と光は同じ波でも性質がとても違うことに気づきました。もし「もっとこうすれば音に忠実になるんじゃない?」という考察があるのであれば、ぜひお聞きしたいです。