tapのチラ裏

書きたいこととか作ったものとかいろいろ書いていきます。

最後の記事を書いてから2年近くが経過しました。飽きっぽい性格ですが、物理と音楽への興味は尽きることがありません。前回課した課題を解いていこうと思います。

 

リズムを組み合わせの考え方で考えていきましょう。音符の開始時刻が同じで終了時刻が違う場合は同じリズムとして、開始時刻だけを考えます。例えば2拍子で1小節のリズムを考えた場合、二分音符連打、表打ち、裏打ち、休符のみの4通りになるわけです。このうち、1小節で音符2つなのが1通り、1つが2通り、音符なしが1通りですね。

 

n拍子で1小節のリズムを考えて一般化しましょう。音符が開始しうる時刻はn個あるので、リズムは2のn乗通りです。このうち1小節で音符k個なのはnCk通りです。nCkというのはn個のうちk個を選ぶ組み合わせの個数のことで、n!/k!(n-k)!で求められます。

 

これを元に考えると、どれだけリズムが自由に作れるかよくわかります。8拍子で2小節のリズムを繰り返す曲というのはよくありますが、この組み合わせは1小節4音という条件をつけても(8C4)^2=4900通りです。ひとつひとつ聴き比べてイメージに合ったものを使えばレパートリーに困りませんね。

リズムは時間と音の写像

今回は今まで全く触れていなかったリズムについて書いていこうと思います。

音には大きさ、高さ、音色の三つの要素があることは最初の方に書きましたが、それは一つの音のときの話です。いくつも音が重なれば協和音になって心地よいハーモニーをつくってくれたり、不協和音になって不安定な感じを演出してくれたりします。そこには「音の高さの比」という新しい要素が入りましたよね。2:3で完全五度、3:4で長三度というやつです。

では同時にいくつもの音を重ねるのではなく、決まったときに音を何回も出すときはどんな要素が現れるでしょうか。それは、音が出る時間と止まる時間です。楽譜でいうと音符と休符ですね。このうち音が出る時刻だけを考えていきます。

「ド」と一つの音を出すのであればいつ音を出し始めてもあまり違いはありませんが、「ドレミドレミソミレドレミレ」といくつも音を出すと、決まった時間に音を出さないとこれが「チューリップ」という曲だと分からなくなります。鳴らし方によっては「春よ、来い」に聞こえたりします。この決まったときに音を鳴らす鳴らし方のことをリズムといいます。

次回はリズムのパターンを数学の組み合わせの考え方を使って考えたいと思います。

音楽の起承転結

久しぶりの更新になります。

トニック、サブドミナントドミナントという言葉があります。以前「勝手に音階を数で定義しました。」で定義した半音s(s=0でド、s=1でド♯、、、s=11でシ)を使って説明します。

ある曲がk半音を根音とした長調だとします。するとKMと(K+9)mの二つの和音がトニックです。安定した和音と表現されることがあり、これが来ると曲にひと段落つくような効果を与えます。同じように(K+5)Mと(K+2)mはサブドミナントと言い、少し不安定な和音と表現されます。また、(K+7)Mはドミナントと言い、サブドミナントよりもさらに不安定な和音とされます。(K+4)mはトニックとしてもドミナントとしても使われます。どれも(K+a)Mと(K+a-3)mの組み合わせが同じグループですが、それぞれの音を確認すればわかる通りこの二つの和音は2つの音を共有しているんです。似たようなグループになるのも感覚では理解出来ると思います。

この安定や不安定という心的評価を抑えておくと、ドミナントを何小節も続けて聞く人をを揺さぶったりトニックを頻繁に出すことであえて何も主張しない音楽にしたりすることができます。物語の展開を起承転結とするならば、音楽の展開はトニックドミナントサブドミナントの組み合わせということですね。

音を鳴らすための楽器 その2

去年の12月頃、音を鳴らすための楽器という題名で書きました。和音がなる音を隣り合わせにした鍵盤の並びなら感覚的に音を奏でられるのではないかと仮説を立てました。


そして今回は実際にその鍵盤を作ってみました。midiキーボードをDAWにつなげて、DAWの方で鍵盤と音の組み合わせを変えるだけです。


いざ使ってみると、和音を出すという点では簡単すぎて物足りなくなるほどです。それはうまくいったのですが、メロディーを弾くとなると音の高さを無視して音階を並べ替えたので演奏するのは無理でしょう。感覚としてはエレキギター初心者みたいな感じです。


コードの弾きやすさをそのままにメロディーを弾きやすいような配置という課題が残ってしまいました。まだ実用にはほど遠いようです。

音楽と心理学

最近心理学にハマっています。最初は人の気持ちがわかるようになるのかと思って本を読み始めたのですが、そんなことより面白い世界が広がっていました。そんな心理学の中でも音楽に関係しているところを紹介したいと思います。


前々回で「音楽のパワーは人間によるものだ」という英長文を紹介しました。生活する環境によって同じ音楽の感じ方は違うということです。しかしその傾向はあるらしいので、もっと「how」を調べることができるそうです。

例えば、同じ音圧でも低い音より高い音の方が大きな音に聞こえます。そこで統計を使って人間が聞いたときの大きさを示せる単位「ソン」が作られました。これは騒音計などで使われているそうです。

同じように音の高さでも人間が聞いたときの高さを示す単位「メル」が作られました。逆に言うと、1オクターブ上がったからと言って高さが2倍になったと感じるとは限らないそうです。そのおかげで、聞き慣れた人は調が変わると曲調が変わったように聞こえるというわけです。

心理学は音楽の美しさを見つけるための要素として物理や数学と並べられそうだと思っています。物理が客観的な方向から音楽を見られるとすれば、心理学は主観的な方向から音楽を見られるので、人と音楽をつなぐ重要な役割を果たしてくれると期待しています。

英語で学んだ音楽

大学受験の勉強で英語の長文を読んでいたところ、面白い文章を見つけました。一言でまとめるとこんな感じです。 

「音楽がどのように人間に影響するか(how)は分かるけれど、なぜ影響するか(why)は分からない。」

 例えば、長調は明るく短調は暗いイメージがありますよね。これはhowです。これまでこのブログで書いたように、長調と短調を数学的、物理的に定義することもできます。しかしwhy、なぜ長調は明るく短調は暗いかと聞かれても十分な答えは出せないんです。 

また、この文章では「音楽のパワーは音ではなくて人間によるものだ」とも書いてあります。世界のいろいろな場所で音楽が独自に発展してきましたが、リズムも音階も構造も全く違います。それぞれの地域の人たちの「それぞれの美」があるんです。同じ音楽を聴いてもある人は美しいと思い、ある人は美しくないと思ったって不思議ではありません。

 この文章を読んで、「音楽を数学と物理で考察すること」は「美しい音楽を作ること」ではなく「音楽のいろんな美しさを見つけ出すこと」だなと思いました。それが見つかれば、誰も考えなかった思わぬ音楽の面白さに気づけるのではないでしょうか。

受験終了しました。

大学受験の試験が全て終わりました。第一志望校の合否発表はまだ先ですが、浪人から逃れることはできたので報告したいと思います。


受験ということで数学と物理以外にも英語を勉強しました。日本語以外の言葉を勉強するのが本来の目的なわけですが、単語と文法だけやっていればいいというわけではなく多くの物語やエッセイの読み取りもしますよね。

そんな英文読解の問題の中で一つこのブログで扱いたい文があるので、次回はそのエッセイを紹介したいと思います。